2023年3月8日、計43枚のナーフ解除と過去最大級の能力変更が行われた。これほどの祭りにおいても元の効果に戻ることの出来なかったカードについて、その理由を考えたい。
全てがここ1年のカードであり、ローテで大暴れしたりプレーヤーからの評判が悪かったりで捕まっている。殆どのカードはローテ落ち後に出所出来ると思われるが、アンリミテッドでも極めて強力なカードである《セラフィックレオ・ガルエル》だけは刑期延長の可能性が高い。
錚々たる面子で、現役でアンリミ一線級のカードがズラリと並んでいる。
ラスワ軸の復権の切り札となるであろう《忌まわしき再誕》、最近元気のないアミュ軸の《黄金都市》《スカルフェイン》など、帰ってきたら面白かったのではというカードもあるが、残念ながらナーフ解除の対象とはならなかった。
《抑圧の関門》(ナーフ後) コスト1/アミュレット/ニュートラル カウントダウン 3 相手のターン中、相手のフォロワーが進化したとき、そのフォロワーに2ダメージ。上限は1ターンに5回。 ファンファーレ エンハンス 5; 相手のフォロワー1体を破壊する。
《抑圧の関門》(ナーフ前) コスト1/アミュレット/ニュートラル カウントダウン 3 相手のターン中、相手のフォロワーが進化したとき、そのフォロワーに2ダメージ。 ファンファーレ エンハンス 5; 相手のフォロワー1体を破壊する。
進化したフォロワーへダメージを与える効果に回数制限のついた《抑圧の関門》。
3回バフの掛かったフォロワーを進化させる《悠久の真紅・モノ》、場に出たニュートラルフォロワーにバフを掛ける《戦乙女の槍》、進化後のラストワードで進化前を場に出す《熟練の探偵》と組み合わせると無限ループが発生することから回数制限がつけられた。
今後の処理変更で改善できる類のループではなく、また5回制限でも元の意図された動きをほぼ果たせるため、今後出所してくる可能性は0と言える。
《悠久の真紅・モノ》 コスト2/フォロワー/ヴァンパイア/機械 2/2→6/6 EPによる進化ができない。(能力による進化はできる) これが場にいる限り、自分の進化前フォロワーすべてと新たに場に出た自分の進化前フォロワーすべては「これの攻撃力か体力を能力で+したときか、これの体力を回復したとき、それがこの自分のターン中に合計3回目かそれ以降なら、進化する」を持つ。 ファンファーレ 復讐 状態なら、自分のフォロワーすべてを+0/+1する。 進化後 疾走 攻撃時 自分の他の進化後フォロワーすべては疾走 を持つ。
《熟練の探偵》 コスト2/フォロワー/ニュートラル 2/2→4/4 ファンファーレ エンハンス 5; 進化する。 進化後 ラストワード 熟練の探偵1体を出す。
《戦乙女の槍》 コスト2/アミュレット/ニュートラル 自分の場にニュートラル・フォロワーが出るたび、それを+1/+0する。
詳細↓。
《力比べ》(ナーフ後) コスト3/アミュレット/ニュートラル カウントダウン 2 このアミュレットが場にある限り、お互いのフォロワーすべてと新たに場に出たフォロワーすべては守護 を持つ。
《力比べ》(ナーフ前) コスト3/アミュレット/ニュートラル カウントダウン 2 このアミュレットが場にある限り、お互いのフォロワーすべてと新たに場に出たフォロワーすべては、相手の場に攻撃できるフォロワーがいるならリーダーを攻撃できない。
似た効果であるが、効果を受けないフォロワーが絡んだ際やフォロワーを変身させた際に、相手リーダーを攻撃できるよう変更された《力比べ》。
処理自体に問題があるとは考えづらいが、「相手の場に攻撃できるフォロワーがいるならリーダーを攻撃できない」というテキストの微妙な分かりづらさを考慮しキーワード能力を利用した直感的なテキストにするためそのままとなった可能性がある。
似た効果を持つ《闘技場の司会者・チャット》も守護を付与する形となっている
《闘技場の司会者・チャット》 コスト5/フォロワー/ニュートラル 4/4→6/6 自分の場に他のフォロワーが出るたび、それは守護 を持つ。 ファンファーレ 自分の他のフォロワーすべては守護 を持つ。
《魔海の女王》(現在ver) コスト10/フォロワー/ニュートラル 7/7→9/9 ファンファーレ 手札のニュートラル・カード(魔海の女王を除く)1枚と、ニュートラルでないカード1枚のコストを-20する。その後、それら以外の手札をすべて捨てる。
《魔海の女王》(初期ver) コスト10/フォロワー/ニュートラル 7/7→9/9 ファンファーレ 手札のニュートラル・カード(魔海の女王を除く)1枚と、ニュートラルでないカード1枚のコストを0にする。その後、それら以外の手札をすべて捨てる。
「コストを0にする」が「コストを-20する」となっている《魔海の女王》。当時存在していたカードは全てコスト20以下なので動きの再現には問題ないが、コスト30の《アブソリュート・トレランス》をそのまま出すことは出来なくなっている。
《骸の王》の処理がある時期を境に「コストを0にする」から「コストを-9する」に変わったことと関係があると思われるが(《惨禍の円環》のコストアップ効果で発生するバグの対策とされる)、《ルビーファルコン》や《死滅の剣皇》といった「手札のカードを永続的にコスト0にする」処理を持つカードは現在も存在しており詳細は不明。
《レイジングジェネラル》(ナーフ後) コスト8/フォロワー/ロイヤル/指揮官 6/6→8/8 ファンファーレ 自分のPPを「自分の場の他のフォロワーの数」と同じだけ回復。
《レイジングジェネラル》(ナーフ前) コスト8/フォロワー/ロイヤル/指揮官 6/6→8/8 このカードが手札に加わるとき、自分の場のフォロワー1体につきコストを-1する。 このカードが手札にあるとき、自分の場のフォロワーの数が増えるたび、コストを-1する。 このカードが手札にあるとき、自分の場のフォロワーの数が減るたび、コストを+1する。
リリース当初から不具合を誘発し続け、最終的に「今後登場するカードとの組み合わせで重大な不具合が生じる」とバグ回避のためだけにナーフされた《レイジングジェネラル》。
ナーフと同タイミングで登場した《兵士の誓い》との組み合わせでバグが発生するためと推測されているが、事前ナーフで実際にバグが観測されたわけではないため詳細は不明。
《魂の番人・ミント》や《竜呼びの笛》といったバグ対策で能力変更された面々が一応は上方修正の形を取っているのに対し、こちらは完全に下方修正となっている。
《侮蔑の絶傑・ガルミーユ》(ナーフ後) コスト5/フォロワー/ドラゴン 5/5→5/5 自分のターン中、このフォロワーがダメージを受けたとき、このフォロワーが破壊されなかったなら、進化する。 ファンファーレ エンハンス 7; お互いのフォロワーすべてに1ダメージ。(このフォロワーも含める) 進化後 ターンごとに1回、このフォロワーがダメージを受けたとき、このフォロワーが破壊されなかったなら、ランダムな相手のフォロワー1体に3ダメージと相手のリーダーに3ダメージ。
《侮蔑の絶傑・ガルミーユ》(ナーフ前) コスト5/フォロワー/ドラゴン 5/5→5/5 自分のターン中、このフォロワーがダメージを受けたとき、このフォロワーが破壊されなかったなら、進化する。 ファンファーレ エンハンス 7; お互いのフォロワーすべてに1ダメージ。(このフォロワーも含める) 進化後 このフォロワーがダメージを受けたとき、このフォロワーが破壊されなかったなら、ランダムな相手のフォロワー1体に3ダメージと相手のリーダーに3ダメージ。
進化後のバーンダメージにターン1のついた《侮蔑の絶傑・ガルミーユ》。
こちらも能力変更前《ヨルムンガンド》とダメージ軽減カードを組み合わせた半永久ループが存在。自分の場にガルミーユがおり、ダメージ軽減効果及びヨルムンのリーダー効果を持つ対戦相手がいると、ガルミーユの体力が尽きるまで処理が続くことになる。
《ヨルムンガンド》(能力変更前) コスト6/フォロワー/ヴァンパイア 5/5→7/7 ラストワード このバトル中、自分のリーダーは「自分のターン中、自分のリーダーがダメージを受けたとき、相手リーダーと相手のフォロワーすべてに1ダメージ」を持つ。
今後もループを引き起こしかねないと判断したのか、《ヨルムンガンド》共々能力を変更されている。
また、最近の「○○するたびダメージを与える」系のカードにはループ予防のための回数上限がつけられていることが多い。
《憤激の副総長》 コスト3/フォロワー/ヴァンパイア/八獄 3/1→5/3 自分のターン中、自分のリーダーがダメージを受けるたび、相手のフォロワーすべてに1ダメージ。上限は1ターンに8回。 ファンファーレ 自分のリーダーに1ダメージ。八獄・フォロワーをランダムに1枚、自分のデッキから手札に加える。 進化時 自分のリーダーに1ダメージ。八獄・フォロワーをランダムに1枚、自分のデッキから手札に加える。
絶賛ローテで活躍中の副総長。能力変更前の《ヨルムンガンド》に似た効果を持つが、しっかりと「1ターンに8回」の上限が付けられている。《勇気の少年・カシム》
《聖獅子の神殿》(ナーフ後) コスト2/アミュレット/ビショップ 自分が聖獅子の結晶をプレイするたび、自分のPPを1回復。上限は1ターンに5回。 ファンファーレ 聖獅子の結晶1枚を手札に加える。
《聖獅子の神殿》(ナーフ前) コスト2/アミュレット/ビショップ 自分が聖獅子の結晶をプレイするたび、自分のPPを1回復。 ファンファーレ 聖獅子の結晶1枚を手札に加える。
《聖獅子の結晶》(トークンカード) コスト2/スペル/ビショップ 聖なる盾の獅子1体を出す。 自分がこのバトル中にプレイした聖獅子の結晶が(このカードを含めず)3枚以上5枚以下なら、聖なる盾の獅子ではなく聖なる鎧の獅子1体を出す。 6枚以上なら、聖なる盾の獅子ではなく聖なる王の獅子1体を出す。 エンハンス 5; 聖獅子の結晶1枚を手札に加える。
《抑圧の関門》同様に回数上限のつけられた《聖獅子の神殿》。
このカードを《崇拝の実現》で5つに増やすと、時間の続く限り《聖獅子の結晶》をプレイできるようになる。1ターン中に大量にカード演出を表示することになるため、対戦相手の使用デバイスの処理能力が低い場合は演出時間を利用した意図的な通信切断を誘発することができた。
ただこのコンボを墓地稼ぎに利用したネタデッキが存在することもあり、今後問題が解決した際に元の能力に戻すことが明言されている。
《栄華の加護神・ヤテラントゥ》(ナーフ後) コスト7/フォロワー/ビショップ 5/5→7/7 ファンファーレ ランダムな相手のフォロワー1体を消滅させる。相手のリーダーに3ダメージ。自分のリーダーを3回復。「このバトル中に破壊された自分のビショップ・フォロワー」と同名のフォロワー1体を出す。このバトル中に破壊された自分のアミュレットが7つ以上なら、1体ではなく2体を消滅させる。3ダメージではなく6ダメージ。3回復ではなく6回復。1体ではなく2体を出す。
《栄華の加護神・ヤテラントゥ》(ナーフ前) コスト7/フォロワー/ビショップ 5/5→7/7 ファンファーレ このバトル中に破壊された自分のアミュレットが1つ以上なら、ランダムな相手のフォロワー1体を消滅させる。破壊されたアミュレットが4、7、10、13になるごとに、消滅させるフォロワーを+1する。 2つ以上なら、さらに、相手のリーダーに3ダメージ。自分のリーダーを3回復。破壊されたアミュレットが5、8、11、14になるごとに、ダメージと回復を+3する。 3つ以上なら、さらに、「このバトル中に破壊された自分のビショップ・フォロワー」と同名のフォロワー1体を出す。破壊されたアミュレットが6、9、12になるごとに、出すフォロワーを+1する。
1度のファンファーレで様々な処理を行うためか、プレイする際に処理が重くなるという特徴のあった《栄華の加護神・ヤテラントゥ》。
能力的に強すぎるわけではないので、内部処理の変更で処理を軽くすることが出来れば復活も期待できる。
《不可侵の教会》《光輝の宝珠》など相性の良いアミュレットは増えており、ナーフ解除時が楽しみだ。
それほどパワーが高いわけではなく、かつ処理にも問題が見当たらないカード群。何故ナーフ解除を逃したかよくわからない。
《トーヴ》(ナーフ後) コスト2/フォロワー/ヴァンパイア 2/2 自分の場に他のニュートラル・フォロワーが出たとき、突進 を持つ。
《トーヴ》(ナーフ前) コスト2/フォロワー/ヴァンパイア 3/3→5/5 このフォロワーは攻撃不能。 自分の場にニュートラル・フォロワーが出るたび、突進を持ち、攻撃可能となる。
ワンドリ環境を代表する1枚だが、【ニュートラルヴァンプ】の同期達が出所していく中で、ただ一人ナーフ解除を逃す。
特定条件下で攻撃不能→攻撃可能となる似たカードとして同じ弾で登場した《ラプンツェル》が存在しており、処理関係の問題である可能性は低い。(というかそもそもレガシーデッキでは問題なく動いている)
今回の調整で最も不可解な1枚と言える。マイローテーションにおいて【ニュートラルヴァンプ】が強すぎたのだろうか。
《ラプンツェル》 コスト3/フォロワー/ニュートラル 2/5→4/7 場に出たときと自分のターン開始時、このフォロワーは攻撃不能になる。 自分の他のフォロワーが攻撃したとき、このフォロワーは攻撃可能になる。
《哀切の悪鬼》(ナーフ後) コスト6/フォロワー/ヴァンパイア 6/6→8/8 ファンファーレ 復讐 状態なら、手札のヴァンパイア・カード(哀切の悪鬼を除く)2枚のコストを-1する。
《哀切の悪鬼》(ナーフ前) コスト2/フォロワー/ヴァンパイア 2/2→4/4 ファンファーレ 復讐 状態なら、手札のヴァンパイア・カード(哀切の悪鬼を除く)2枚のコストを-1する。
コストを大きく上げられた《哀切の悪鬼》。
効果自体は全く一緒なため処理の関係ではなく、またパワーレベルもそれほど高くない。《絢爛のセクシーヴァンパイア》のナーフ解除の影響を重く見たと考えられるが、せっかくならこのカードも一緒にナーフ解除して欲しかったところである。