《蘇る絶望》 コスト8/スペル/ニュートラル 自分の「進化可能ターン」の開始時、このバトルがアンリミテッドなら、自分の手札のこのコストを4にする。 ---------- ランダムな自分の手札2枚を捨てる。 このバトル中に手札から捨てた自分のフォロワーやアミュレットと同名のカード4種類を1枚ずつ出す。 相手のリーダーは「次の自分のターン開始時、手札をランダムに2枚捨てる」を持つ。
カード能力発表時から物議を醸した、シャドウバース最後の新カード《蘇る絶望》。
「このバトルがアンリミテッドなら」という過去例のない、そして美しさに欠けるテキストを持っており、先攻5ターン目、後攻4ターン目にプレイすることができる。
強力な大型フォロワーやアミュレットが多いアンリミテッドではこのカード一枚で勝負を決められることが多く、破格のスーパーカード。
様々なデッキが日々考案されており、世は大絶望時代を迎えている。
サンプルリスト
絶望デッキで最も安定感のあるOTKデッキは【絶望ドラゴン】だろう。ドラゴンのクラス特性と《蘇る絶望》のかみ合いが最高に良い。
まず第一に、ドラゴンはディスカード札(手札を捨てカードを引く)を大量に備えている。【ディスカードドラゴン】というデッキが長期にわたって活躍してきたのだから当然といえば当然だが、他クラスとは段違いの充実ぶりだ。
《蛇竜の契り》《砕石竜》《オーブキャンサー》といったカードにより《蘇る絶望》へアクセスしつつ、大型フォロワーを捨てて準備を進めることができる。
また、ランプ軸デッキのフィニッシャー枠として定期的に多くの大型疾走フォロワーが登場してきた点も大きい。
【絶望ドラゴン】に限らず疾走型の絶望デッキは、大きな打点を出すために極力4種類の疾走フォロワーを復活させたい。そのため優秀な疾走フォロワーを固めて3枚ずつ採用するより、及第点レベルの疾走フォロワーを1~2枚ずつ散らして採用する方が決定率が向上する。
この性質と最も合致しているのがドラゴンであり、《ジェネシスドラゴン》《アジ・ダハーカ》といった時代を築いた疾走フォロワーに再び活躍の機会が回ってきた。他のクラスには殆ど存在しない攻撃力7の疾走フォロワーが新旧ジェネドラ+ゾーイで3種類もいる点からも、《蘇る絶望》とドラゴンの相性の良さが伺える。
これら二つの要素が相まって、【絶望ドラゴン】は安定した先5後4のOTKを狙えるデッキとなっている。妨害耐性を無視すれば、ガルエルナーフ前の【ホズミエルフ】を超えていると言って良いだろう。
ただ当然このデッキにも弱点はあり、それは「守護でOTKを簡単に防げる」「ダメージカットでも止まる」点だ。
特に1枚で2回疾走攻撃を耐える《輝く鐘・ベルエンジェル》は有力なメタカードであり、信頼性の高いストッパーとなる。
当然ドラゴン側も指をくわえてみてるわけではなく、守護を剥がしながら大打点を叩き込む《古今独歩の大拳豪・ガンダゴウザ》、多面守護をまとめて吹き飛ばす《インフィニットフレイムドラゴン》などの採用が検討されている。
サンプルリスト
ドラゴンと似たようなコンセプトのデッキを実現できるもう一つのデッキが、ヴァンパイアの【絶望ヴァンプ】だ。
ドラゴンのように直接的にディスカードシナジーを推されていたわけではないが、ターン中のドロー枚数が2枚以上という渇望軸を推すために登場したディスカード札、また《デモンズグリード・パラセリゼ》と合わせて登場した手札を減らすカードが存在し、ドラゴンに次ぐレベルでディスカード札を持つ。
疾走フォロワー群も遜色ない陣容が揃っており、特に1ターン限定のダメージカットをリーダーに付与する《イモータルペイン》と無敵バリアを纏える《アビスドゥームロード》ら特殊効果を持った疾走フォロワーの存在はドラゴンに対し優位点となる存在といえる。
明確なウィークポイントの一つが、前述の通り渇望軸のサポートとして登場したカードが多いため、ターン開始時のドロー効果と《蘇る絶望》のコスト軽減効果の発動タイミングとかみ合わない点。《棘の吸血鬼》や《ショーダウンデーモン》のターン開始時ドローで引いてきた《蘇る絶望》には、4コストになる効果が適用されない。
また、ドラゴンと異なり低コストフォロワーの採用を絞りづらい点もデメリットだろう。実用レベルのディスカード札である《棘の吸血鬼》と《ショーダウンデーモン》は両者ともに軽量フォロワーであり、《蘇る絶望》のランダムディスカードで捨ててから復活してしまうリスクが存在する。
サンプルリスト
ドラゴン、ヴァンプとは異なり、バーンダメージでOTKを目指す【絶望専門店ウィッチ】も考察が進められている。
特殊なコンボデッキとして一世を風靡した《魔道具専門店》による半無限バーンダメージと、1枚で20点のバーンダメージを出しうる《セブンズフォースソーサラー》を組み合わせた型が一般的である。
【絶望ドラゴン】【絶望ヴァンプ】に勝つべく守護やダメージカットを貼った相手に対して、それらを貫通して勝つことができるのは大きなメリットと言える。
このデッキの弱点は安定感の低さ。サーチの効かない3枚の《魔道具専門店》、サーチは効くが専門店の縛りの都合上デッキに1枚しか採用できない《セブンズフォースソーサラー》の両方を事前に捨てておくのには高いハードルが存在する。
また疾走系の絶望デッキと異なり、《蘇る絶望》を撃つだけでは勝利出来ずその後軽量スペルのプレイを重ねる必要がある点も難しい。
相手の《蘇る絶望》の返しでこちらが《蘇る絶望》を使用した場合、合わせて4枚も手札を捨てており、手札枚数が足りないといった事態が発生しうる。
サンプルリスト
ネメシスの絶望デッキは、《災厄の匣・パンドラ》で相手リーダーの体力の最大値を8にした上で、攻撃力9の疾走フォロワーである《アブソリュート・トレランス》で削り切りを目指す形が基本。
デッキの強みは、《虚数物体》と《神器鳴動》という2種類のダメージカットアミュレットを採用できる点。
また《カイザーインサイト》による高い手札操作能力も健在で、これらを駆使して絶望OTKを狙っていく。
ただ、専門店と同様にサーチの効かない2種類のカードに依存しており、OTK自体の安定感は高くない。
サンプルリスト
《蘇る絶望》を使うロイヤルのデッキには《舞い踊る刃・ディオネ》などの疾走フォロワーでOTKを狙う型、《選別の教員・ヴァイス》でロックを仕掛ける型など様々なタイプが存在するが、この「【連携ロイヤル】を基盤とした《蘇る絶望》デッキ」も有力な型の一つ。
デッキの強みは、「守護展開+《撲滅の兵団長》」という対絶望ドラゴンへの明確なプランを持つ点。《気高き落涙》《君臨する猛虎》《曙の乙女・セラ》とお馴染みの多面守護展開カードにより、疾走OTKを着実に防ぐ。
そして《撲滅の兵団長》は直接召喚による3面除去が可能なため、《蘇る絶望》のハンデスの影響を受けず安定した盤面処理を行える。
また【連携ロイヤル】としての立ち回りも可能であるため、他の絶望デッキよりも【ハンドレスヴァンプ】や【進化共鳴ネメシス】といったアグロと戦いやすい点も見逃せない。
《蘇る絶望》はこれまでの【連携ロイヤル】に不足していた踏み倒しカードであり、早いターンでの大型守護+《ビクトリーブレーダー》盤面を実現してくれる。他のクラスのように一撃必殺を狙わずとも、単純に4面展開+2ハンデスというだけでも十分なパワーカードだ。
《撲滅の兵団長》は「場に出た時に」処理を行うため絶望から復活させても除去効果が発動する点や、《清白の騎士》を採用するため素引き兵団長の事故を緩和しやすいというシナジーも存在する。